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愛しのベローチェ

僕たちは、ベローチェを愛している。

近所にカフェ・ベローチェがある。近所と言っても、毎日行くほどではない。でも休日になると、「今日どうする?」という話のなかで、かなりの確率で候補に上がる。

「ベローチェ行く?」

それで話がまとまる。

気づけば、毎週のように家族3人で通う店になっていた。

ベビーカーのころから、ベローチェ

娘がまだ小さかったころは、ベビーカーに乗せてベローチェへ行っていた。

運よく眠ってくれた日は、僕たち夫婦にとってちょっとした休憩時間だった。娘を起こさないようにしながらコーヒーを飲み、ランチを食べる。たまにはケーキも食べる。

ベビーカーが邪魔にならないよう、入口に近い席や、少し広めのスペースが空いていればそこに座るようにしていた。

娘が眠っている横で、妻とコーヒーを飲む。

振り返ると、あの時間はかなり貴重だった気がする。

椅子に座り、歩きはじめた

少し大きくなると、娘もベローチェの椅子に座るようになった。

そして歩けるようになると、当然、歩きたい。ベローチェの店内でも散歩を始めた。

もちろん、ほかのお客さんの邪魔にならないよう気をつけながらではあるけれど、僕も娘の後ろについて店内を歩いた。

コーヒーを飲みに来たはずなのに、なぜかベローチェを周回している父と娘。

今考えると少し恥ずかしいけれど、そんな時期もあった。

いまでは一緒に食べている

そして今。

娘は普通に椅子に座り、僕たちと一緒に食事をしている。ジャムサンドやあんぱんを食べたり、僕や妻が頼んだナポリタンなどのパスタを少し取り分けたり。

「おいしい?」

と聞くと、おいしそうに食べている。

ベビーカーの中で眠っていた娘が、椅子に座れるようになり、店内を歩くようになり、今では同じテーブルを囲んでごはんを食べている。

そう考えると、僕たち家族にとってベローチェは、単なる近所のカフェではないのかもしれない。

娘の成長を思い返すと、その風景の片隅に、いつもベローチェがある。

そして、黒ねこが増えていく

ベローチェを好きな理由は、もうひとつある。

黒ねこである。

ベローチェは、とにかく黒ねこグッズがいい。

キャンペーンが始まるたびに「またやってる」と言いながら、結局だいたい集めている。

2026年夏には、ベローチェ40周年を記念した「黒ねこサマーキャンペーン」が開催された。対象のレシートを集めると、黒ねこのハンドタオルがもらえるというものだった。

気づけば、わが家には8枚近くある。

ハンドタオルはそんなに必要なのだろうか。

たぶん必要ない。

でも、黒ねこなので仕方がない。

これまでにも、シールやマグネット、コップのふちにぶら下げる「ふちねこ」のフィギュアなど、いろいろなものを集めてきた。

もらえるものだけではない。缶バッジ、ハンカチ、シール、エコバッグ、バッグのセット。気になったものは普通に買っている。

家の中を見渡すと、少しずつ黒ねこが増殖している。

最近のお気に入りは、シール

最近買った黒ねこのシールも、とてもいい。

2026年8月には、「黒ねこぷにぷに肉球シール」と「黒ねこつやつやシール」が登場した。

僕は肉球より、つやつやシール派だ。

ナポリタンに黒ねこ。ホットドッグにも黒ねこ。

ベローチェらしい食べ物と黒ねこが一緒になっているのが、なんともいい。

おそらく、なくても人生にはまったく困らない。

でも、こういうものがあると少しうれしい。

そういう「なくても困らないけれど、あるとうれしいもの」は、案外大事なのかもしれない。

そして2026年9月には、40周年を記念した黒ねこのぬいぐるみやマスコット、チャームボトルも発売された。

ベローチェ40周年を迎え、黒ねこはますます存在感を増している。

愛しのベローチェ

ものすごく特別なことが起こる場所ではない。

休日に家族で行って、コーヒーを飲む。パスタを食べる。娘がパンを食べる。帰り際には黒ねこのキャンペーンやグッズを確認する。

そんな、ごく普通の場所だ。

でも、その「普通」を何年も重ねていくと、いつの間にか思い出になっている。

いつか娘がもっと大きくなって、ベローチェに一緒に行かなくなる日も来るのだろう。

そのころ僕は、今日のことを思い出すのかもしれない。

ベビーカーで眠っていたこと。店の中を一緒に歩いたこと。ナポリタンを取り分けたこと。そして、黒ねこのハンドタオルをなぜか何枚も集めていたこと。

どれも大きな出来事ではない。

それでも、家族で過ごしてきた時間を思い返したとき、その背景にはきっとベローチェがある。

だから今日も、たぶんまた行く。

僕たちは、ベローチェを愛している。

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