【2017年度】薩摩川内市 地域おこし協力隊活動一年目の振り返り

こんにちは。薩摩川内市地域おこし協力隊のスーグル(@vsoogle)です。

2017年2月。僕は東京のとあるIT企業を退職した。

翌月の3月1日に鹿児島県薩摩川内市の地域おこし協力隊に着任し、入来地域を担当することとなる。

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ここで2017年度の活動内容を簡単に報告したい。

ミッションのおさらい

薩摩川内市の地域おこし協力隊は所属する課でミッションが異なっている

僕が所属する観光シティ・セールス課の地域おこし協力隊のミッションは以下だ。
①地域コミュニティ活動・その他の地域おこしの支援活動
②市民活動団体の支援活動
③地域資源を活用した商品開発及びプロモーション
④商店街活性化の支援活動
⑤その他市長が必要と認める活動

メインミッションは③の商品開発及びプロモーションだ。地域の事業者さんと地域資源を活かした商品を作ることが求められている。

活動報告

2017年度以に活動したことを簡単に箇条書きでまとめた。これ以外にも地域活動のお手伝いや、田植えや稲刈りなど田舎暮らしっぽいこともしている。

商品開発

◉観光記念符「城郭符」の考案と販売

入来麓の山城である「清色城」の観光記念符。いわゆるお城の御朱印のようなものだ。御朱印と区別する為に城郭符と名付けた。入来麓伝統的建造物群保存地区保存会の方々と企画し、販売までこぎつけた。売り上げは入来麓武家屋敷群の保存活動にあてている。玉石垣や道の清掃、除草、害虫駆除など。

2017年度の売り上げは、竹箒の購入費用に使われ、麓地区の全戸に配布された。麓地区の住民の方々は朝早くに箒に玉石垣周りの道を掃除される。「観光客と地元住民との協業で武家屋敷群の景観を守ること」が目的の一つだったので達成できたと言っても良いのではないか。

城郭符は新聞や観光雑誌、ネットメディアにも取り上げていただいた。

(2017年7月6日の南日本新聞)

実は全国に存在する「お城の御朱印」も「城郭符」という名前になって欲しいと思っている。

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◉大久保利通メニューの考案支援

大久保利通が幼い頃に入来温泉に来ていたというエピソードがある。それを活用できないかと考えた。玉露と漬物が好物だったらしいので、お茶漬けにしようといりきはーつさんが考案。自分はどの漬物を使うか試作段階で参加した。

◉入来の歴史をテーマにしたお菓子「雪窓院」開発(2017年度は製作開始のみ)

地域の方から相談があり、一緒に開発することに。関ヶ原合戦の敵中突破で有名な島津義弘。その母「雪窓院」は実は入来出身であった。そんな重要人物の出身地というのをPRしたくて作ったお菓子。

2018年度現在は完成しているが、2017年度に企画が出て来たので記載。

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体験

◉武家野菜つくり

入来麓武家屋敷群のど真ん中にある畑で作る野菜。その名も「武家野菜」だ。いりきはーつさんの武家農園だ。種まき、収穫、料理体験をイベントとして行った。

関連記事レポート記事は今後作成予定

◉武士のきのこ駒打ち体験

しいたけ栽培をされている方と、駒打ちをイベントとして開催した。会場は森のツリーハウス横の広場。きのこが武士のちょんまげに見えることから、イベント名を命名した。

(2018年3月28日の南日本新聞)

きのこ好きな方々が集まり、しいたけが生えてくるのが楽しみだという声も頂いた。

関連記事レポート記事は今後作成予定

◉オリジナル御朱印帳作りワークショップ

オリジナル柄の御朱印帳作りのワークショップを開催。表紙にしたい柄の布や紙を持参して、キットを使い作成するもの。僕の御朱印コレクションの展示や、御朱印エピソードもお話しした。

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情報発信

◉Google MapTripAdvisor登録

僕が来た当初はネットで検索しても、入来に関する情報は壊滅的にヒットしない状態だった。地道にgooglemapTripAdvisorに史跡や滝などの観光スポットを登録していくことにした。主に長野滝、朝陽轟滝、田の神さぁ、石塔群的なものを登録。

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SNSで情報発信

TwitterFacebookInstagramで観光スポットやイベントの様子などを投稿。薩摩川内市内向けは知り合いの多いFacebook。不特定多数向けはTwitterInstagramは英単語のタグをつけて海外向けに投稿した。

Twitterをやってると、リアルで会う機会が無い方々にも情報が届くから面白い。地域活動に参加されている方々のお子さん世代(20代~40代)で入来を離れている人にも見て頂いているみたい。町のガソリンスタンドでもTwitter見てますと言われたりもする。

行政の方々も見てるので、もう変なことはできない。笑

FMさつませんだいで入来情報発信

「こころの川柳~ここせん~」という月一で放送している川柳のラジオ番組に出演させていただいている。そこで「スーグルの入来情報」というコーナーをやらせて頂き、入来のイベント情報やおススメスポット情報を紹介している。

◉ラジオドラマ制作

薩摩川内市の地域おこし協力隊をテーマにしたラジオドラマを「シシン川内」さんが制作し、FMさつませんだいにて放送した。僕は入来担当の地域おこし協力隊として声優を担当した。笑

地域活動支援

◉伝統芸能である「入来神舞」への参加

入来にある大宮神社に伝承されている「入来神舞」の担い手として参加させて頂いた。地域の担い手が少なく、将来的に消失する可能性もあり、なんとか担い手を増やしたいと思っている。

(2017年11月30日の南日本新聞)

伝統芸能の継承の仕組みづくりが課題。小学生や中学生などの世代にも魅力を伝えていきたい。

関連記事大宮神社で鎌倉時代から続く伝統芸能「入来神舞」に移住者の僕が挑んだ結果。

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◉夏祭りの実行委員や司会(清色地区夏祭り/八重山高原星物語/入来夏祭り)

入来は夏祭りが多い。入来地域で合計7つだ。入来地域全体の夏祭りが2つ、入来を構成する5つの地区ごとにもあるのでさらに5つ。


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◉入来ファミリーハイキング(実行委員)

◉こころの川柳大会(実行委員、呼名復唱)

◉副田地区文化祭(実行委員、司会、活動報告)

◉温泉ガストロノミー(実行委員)

観光・その他

◉ツーリズムEXPOジャパン参加

薩摩川内市の観光PR。ブースにて説明したり、ステージにて寸劇をしてPRした。丸武産業さんの甲冑試着体験も。

◉ダイドードリンコ「日本の祭り」CM出演

旧増田家住宅にて、甲冑を来て薩摩川内市のPR

◉「薩摩川内はんやまつり」の武者行列の声優

薩摩川内市のお祭りであるはんや祭りの武者行列にて、声優をさせていただいた。甲冑を来た武者たちの動きに合わせてセリフを入れていく。声劇をされている「シシン川内」さんに特別に参加させていたいた。

◉ツリーハウス制作

入来麓武家屋敷群近くの山にツリーハウスを制作。地域の方が趣味で作られたいたところに合流。はじめてのチェーンソー体験をした。

関連記事レポート記事は今後作成予定

一年を通しての所感

1年目は正直、周りに流される一年だった。自分の軸を持った活動はあまりできず、ほとんど地域のお手伝い。地域を知るという意味では一年を通して色々経験できたので良かったと思う。

メインミッションは商品開発だが、一年目はそこまで強く言われていなかったされていなかったこともあり、地域の活動を何でもやる状態になり、何がしたいのかわからなくなってしまっていたのかもしれない。

自分がどうしてもやりたくてやったのは、「城郭符」の作成。御朱印集めが好きだったのと、山城に興味があったので、松本城や二条城で販売している「お城の御朱印」を参考に作成した。現在は全国で約18箇所のお城で観光記念符(お城の御朱印)が発行されているが、九州ではここ入来の清色城しか発行していない。たまに城郭符目当てでお客さんが来られたというのを聞くと嬉しい。

城郭符を企画したり、歴史が好きというのをアピールしていたので、歴史に関することはスーグルに聞けば良いと言ってくれる方々もいた。

歴史トークからお菓子作りが始まったこともあった。「雪窓院」という戦国時代に入来にいたお姫様について、調べに図書館に来ていた方の話に偶然参加したことがあった。実は雪窓院をテーマにお菓子を作りたいと思っていたらしく、一緒に企画から参加することとなった。雪窓院は関ヶ原合戦の際に敵中突破をした武将で、全国的に有名な島津義弘の母親である。そんな重要人物が入来にいた事は入来でもあまり知られていない。

このような活動をしていく中で、歴史資産発掘し、世に出していくことが、自分のやりたかったことだと改めて認識した。世に出すというのは、研究して学会で論文発表ということではなく、歴史に詳しくない一般市民の方々に対して認知されるレベルのこと。

派手なことではなくても、自分がしたいこと、できることを地道にやっていこうと思った。

今後の展望

2018年度に入ってから、5月に「入来のサムライ文化を探る」というイベントを開催した。南日本新聞の記者の目に「歴史生かした催し」として紹介していただいた。

(2018年5月14日の南日本新聞)

この記事では、歴史を題材に人を呼びこむ試みとして、「地域の資源を生かした好企画」と言っていただき、感激を受けた。歴史は地域資源として活かせるという実感を少しだが感じた。

今後は歴史をテーマに活動し、「埋もれた歴史を発掘・発信」していくことに決めた。

最終的には入来や薩摩川内市が歴史好きな人の聖地になるくらいになりたい。そのためにも、歴史をテーマにした商品やイベントを企画していく。

2018年度は以下をやりたいなと思っている。(現在20186月なので、もうやっているのもある。)

・「城郭符」のプロモーション
・「雪窓院」の完成とプロモーション
・ご当地サイダー制作
・入来温泉街のまち歩き企画(温泉街の歴史を語る)
・薩摩川内の歴史を楽しく伝えるラジオ番組
・ツリーハウスを活用した事業

2018年度もがんばりますので、よろしくお願い致します。

おわりに

2017年度の活動報告は以上だ。

地域おこし協力隊を一年間経験してみると、ポジティブなことやネガティブなこと両方経験するし、感想や意見も出てくる。都会が悪くて、田舎が素晴らしいとも思わないし、その逆も思わない。どこで暮らそうが全ては関わる環境が大事なのだと思った。

地域おこし協力隊を経験してみての、地域おこしについて思うことや、田舎暮らし、自分らしい生き方などのオピニオンを含んだ記事は僕のnoteにて今後配信予定。

ではでは。

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ABOUTこの記事をかいた人

「埋もれた歴史を発掘・発信」をテーマに薩摩の地でイベント企画や商品開発、情報発信をしていました。( 山城の観光記念符「城郭符」や、歴史和菓子「雪窓院」を企画など)