【鹿児島】ダムに沈むレンガ造りの近代産業遺産「曽木発電所遺構」

鹿児島県伊佐市大口にある曽木発電所遺構を訪れた。

普段はダムの中に沈んでいるが、5月頃から9月の時期に姿を表すヨーロッパの古城みたいな建造物。

今回は、対岸から見た曽木発電所遺構と、近くから見た曽木発電所遺構を紹介したい。

曽木発電所遺構

伊佐市にある曽木発電所遺構は、川内川の中流にある曽木の滝の下流に位置している。

普段は鶴田ダムがつくる大鶴湖の底に沈んでいるが、洪水に備えて貯水位を下げる5月〜9月にかけて姿を表す。

対岸にある曽木発電所遺構展望所から姿を見ることができる。

季節やタイミングによって様々な表情を見ることができる。

曽木発電所遺構は明治42年(1909)に、日窒コンツェルンの創始者の野口遵(のぐち したがう)により建設された水力発電所。

東西に幅43メートル、奥行20メートル、高さ19メートル、総面積2207.7平方メートルの2階建一部3階建で、鹿児島県に唯一残る明治時代建造物のレンガ造りの建造物。

当時は水俣のカーバイト工場(チッソ株式会社 水俣製造所)に電力を供給して、近代日本の電気化学工業発祥のきっかけになった貴重な近代産業遺産。

当時の発電所全景(案内板「曽木発電所から学ぼう」より)

「幻の発電所遺構」ツアー

伊佐市観光特産協会によるツアーで、普段立入禁止になっている遺構の中に入ることができる。

協会の方の案内で中に入る。普段は立入禁止なので絶対入らないように。

しばらく歩くと、発電所遺構が見えてきてテンションが上がる。

入り口っぽいところから水が流れ出しているのを見ると、聖剣伝説2の水の神殿が連想された。

普段は湖底に沈んでいるので、普段は魚たちがこの入口を行き来しているのだろうか。

もちろん発電所だった頃の機器類は何も残っていない。

ここで近代日本の発展を支えていたと考えると不思議な気持ちになる。

上から見ても魅力的な建造物だ。

▼ツアー申込先

伊佐市観光特産協会 :夏季限定!「幻の発電所遺構」ツアー 予約フォーム

さいごに

曽木発電所遺構は見た目のかっこよさや、見るタイミングのレアさも魅力の一つだが、日本の近代を支えた歴史というのも注目すべき魅力ではないか。

これをきっかけに、近代遺産めぐりもしてみたいなと思った。

では。

▼MAP:曽木発電所遺構展望所

▼参考資料

曽木発電所遺構展望所の案内板を参考にさせて頂いた。

曽木発電所遺構の概要

曽木発電所から学ぼう

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「埋もれた歴史を発掘・発信」をテーマに薩摩の地でイベント企画や商品開発、情報発信をしていました。( 山城の観光記念符「城郭符」や、歴史和菓子「雪窓院」を企画など)