【鹿児島】苔と石畳が魅力的な姶良市蒲生町の「掛橋坂」

川内方面から空港道路を通るたびに看板を見て気になっていた場所、鹿児島県姶良市蒲生町の掛橋坂を訪れた。

掛橋坂は、同じ姶良市にある龍門司坂と白銀坂をあわせた「三坂」の一つで、最近では大河ドラマ「西郷どん」のロケ地にもなった場所だ。

掛橋坂(かけはしざか)

掛橋坂は、薩摩地方の藺牟田・祁答院方面と蒲生を結ぶ地方街道の一部。

江戸時代に帖佐郷に置かれた藩の蔵(納屋町御蔵・小烏御蔵)まで、毎年年貢米が輸送され、牛馬の背に荷物を載せて運ぶ運送業の人にとって、道中最も厳しい難所だったみたいだ。

夏に行ったので、案内板が草に覆われている。。

石畳と苔の組み合わせが良い。

坂途中にある庚申供養日の年代から、遅くとも寛政8年(1796)までには、岩山を削り取った石段や切石を敷き詰めた石畳として完成していたと考えられる。

明治時代に入り、馬車輸送が普及すると、明治30年代以降には傾斜の厳しい掛橋坂を避けた県道(現川内・加治木線)が整備され、坂は幹線道路としての役目を終えた。

坂の途中にある馬頭観音碑。

これは明和9年(1772)に北村午相の人々が建立した碑。

午相とは馬による運送業の集団と考えられるとのこと。

碑の上の丸石が苔玉になっているのがなんか良い。

次第に人々に忘れ去られた掛橋坂だが、蒲生町北、及び西浦地区の人々の生活道路として今日まで大切に利用されているとのことだ。

人の気配もなく、石畳の中にいたので、江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わうことができた。

掛橋坂の近くには日本一の大楠で有名な蒲生八幡神社があるのでぜひセットで訪れてほしい。

▼MAP

▼参考資料

掛橋坂の入り口にあった看板の説明資料を参考にさせていただいた。

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「埋もれた歴史を発掘・発信」をテーマに薩摩の地でイベント企画や商品開発、情報発信をしていました。( 山城の観光記念符「城郭符」や、歴史和菓子「雪窓院」を企画など)