はじめに
2020年7月の暑い夏の日、福岡県の太宰府天満宮を訪れることにした。
学問の神様、菅原道真公を祀るこの神社は、全国から多くの参拝者が訪れる名所だ。
今回は、特に毎月25日に限定販売されるよもぎの梅ヶ枝餅を目当てに出かけた。
太宰府駅
西鉄天神駅から電車に揺られ、太宰府駅で降り立った。ホームは朱色に彩られ、どこか懐かしい感じがする。
駅には着物を着たnimocaキャラクターがいて、思わず写真を撮った。
そして、駅スタンプも忘れずに押し、旅の良い記念となった。
太宰府天満宮
太宰府天満宮は福岡県太宰府市に鎮座する神社で、学問の神様、菅原道真公を祀っている。
その成り立ちは非常に興味深い。道真公は承和12年(845年)に京都で生まれ、学問の才能を発揮しながらも、政略により無実の罪で大宰府に流され、延喜3年(903年)にこの地で亡くなった。
その後、門弟の味酒安行によってその地に埋葬され、現在の太宰府天満宮が建立されたのだ。
境内には、道真公が亡くなった場所に社殿が建っているとのこと。
御朱印
御朱印は梅型の枠が特徴で美しく印象的だった。
夏の天神まつり
私が訪れた時期には、太宰府天満宮で「夏の天神まつり」が開催されていた。
菅原道真公の御生誕を祝い、無病息災を願うこの祭りでは、境内に飾られた風鈴の音色が心地よい涼を感じさせてくれた。
夏の暑さの中で、風鈴の音が涼をもたらしてくれるのは、本当に贅沢なひとときだった。
動物たち
太宰府天満宮では、牛や鷽、麒麟といった動物たちにも出会った。
特に印象に残っているのは麒麟で、そのユニークな姿(お尻の穴)に笑いがこぼれた。
梅ヶ枝餅
参道を歩いていると、梅ヶ枝餅を美味しそうに食べている人々が目に入る。
この日は特に、毎月25日に限定販売されるよもぎの梅ヶ枝餅を食べることができた。
もちもちとした食感とよもぎの爽やかな風味が絶妙にマッチしていて、本当に美味しかった。これを楽しみに来る価値が十分にある。
珈琲風見鶏
参道にあるハイカラな珈琲専門店「珈琲風見鶏」にも立ち寄った。
店内は大正浪漫を感じさせる落ち着いた雰囲気で、時間がゆったりと流れている。
太宰府を訪れる度に、この喫茶店にはぜひ立ち寄りたいと思わせてくれる素敵な場所だ。
九州国立博物館
太宰府天満宮の近くには九州国立博物館がある。
常設展示は非常に充実しており、何度訪れても新しい発見がある。
また、近くには大伴旅人の歌碑もあり、古代の詩人たちの足跡を感じることができた。
1つ目は、万葉集 巻四・五七四の「ここにありて 筑紫や何處 白雲の たなびく山の 方にしあるらし」。
現代語訳は、ここ(大和)から見て、筑紫はどこの方角だろう。白雲のたなびく山の方であるらしい。
太宰帥であった大伴旅人は天平二年(730)、大納言になり奈良の都に帰った。都に帰った後に太宰府を偲んで詠んだ歌らしい。
もう一つのは、「わが苑に 梅乃花散る久方の 天より雪の 流れくるかも」。
このは、万葉集に収められた梅花の宴で詠まれたもので、その歴史的背景に思いを馳せることができた。
令和ゆかりの地
太宰府は「令和」のゆかりの地でもある。
730年、大伴旅人が自身の邸宅で「梅花の宴」を開き、その序文が新元号「令和」の典拠となった。
「令和」の由来となった万葉集の序文は、市内にある坂本八幡宮が舞台といわれ、令和の典拠となった「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」の文言ゆかりの地。
この歴史的な背景を知ることで、太宰府の魅力が一層深まった。
さいごに
太宰府は、学問の神様である菅原道真公を祀る神社として有名だが、その歴史や文化には深い魅力がある。
次回は、まだ訪れていない宝満山や竈門神社、坂本八幡宮などにも足を伸ばしてみたいと思う。
特に、令和の典拠となった万葉集の知識を深めてから再訪することで、さらに豊かな旅になるだろう。
では。
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